アレルギーと一括りに言っても、その種類は数えきれないほどあります。
例えばよく知られたアレルギーの一つである花粉症といえば、今や成人の約30〜40%、子供でも20%とその割合は年々増加しています。
しかし、アレルギーは花粉症だけではありません。
代表的な小麦、卵、牛乳の他に大豆、ナッツ、甲殻類、りんご、キウイ、ごま、お米のアレルギーまであるんですから、食物アレルギーだけでもあげたらキリがありません。
さらに動物アレルギーや、ハウスダスト、薬物、昆虫、職業性、接触性皮膚炎など、症状が軽いだけで誰でも何かしらのアレルギーを持っている可能性があるのです。
こんな症状が出たらアレルギーかも
アレルギー症状は多岐にわたり、原因となるアレルギーの種類や体質により様々です。
- 皮膚症状
- 呼吸器症状
- 消化器症状
- 全身症状
- 口腔アレルギー症候群(OAS)
- 心血管症状
- 神経症状
以下に詳しく説明します。
皮膚症状
▼蕁麻疹
皮膚が痒くなったり、赤い斑点や膨疹などができる。
数時間で消える人もいれば、場合によっては落ち着くまでに数日かかることもある。
▼湿疹(アトピー性皮膚炎)
痒み、乾燥、鱗屑などの症状が現れ、皮膚が赤くなる。
▼接触皮膚炎
アレルゲンと接触した部分の皮膚が赤くなったり、痒みや水疱が現れる。
▼アンギオーデマ(血管性浮腫)
皮膚の深い部分が腫れる。
特に顔や喉に症状が出る場合が多い。
呼吸器症状
▼アレルギー性鼻炎
主に花粉症などで症状が現れることが多く、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目の痒みなどが起こる。
▼喘息
呼吸困難。
咳や、息切れ、喘鳴(喉からゼーゼー、ヒューヒューという音がなる)
▼アレルギー性結膜炎
目が赤くなり、痒みが出てきたり、涙が出ることもある。
消化器症状
▼腹痛
お腹が痛くなったり、胃腸の痙攣や不快感を感じる。
▼吐き気・嘔吐
▼下痢
全身症状
▼アナフィラキシー
かなり危険な状態。
生命の危険を伴う全身的な急性アレルギー反応。
呼吸困難が急速に進行し、血圧が低下し意識が混濁する。
この状態になるとエピネフリン(アドレナリン)注射が必要になる。
口腔アレルギー症候群(OAS)
▼口や喉の痒み
主にアレルゲンである果物や野菜を生で食べた時に起こることが多い。
心血管症状
▼血圧低下
主にアナフィラキシーを起こした時に症状が現れる。
▼めまい・失神
血圧が低下しショック状態になる。
神経症状
▼頭痛
▼不安感・恐怖感
アナフィラキシーなど症状が重い場合に現れることがある。
その他
▼アレルギーマーチ
産まれてから幼少期にかけて、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、喘息などの症状が次々と出てくること。
▼交差反応
原因であるアレルゲンに対するアレルギー反応が、別のアレルゲンに対しても出てきてしまうこと。
例えばラテックスアレルギーやバナナアレルギーなど。
アレルギーの種類
アレルギーの原因となるものは多岐に渡り、食べ物や動物、全く思ってもいなかったものが原因になることもあります。
どのようなアレルゲンで、どのような症状が出るのかそれもまた様々なのです。
- 食物アレルギー
- 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)
- 動物アレルギー
- ハウスダスト・ダニアレルギー
- 薬物アレルギー
- 昆虫アレルギー
- 接触性皮膚炎
- 職業性アレルギー
以下に詳しく説明します。
食物アレルギー
小麦、卵、牛乳、大豆、ナッツ、魚、甲殻類、果物など
- 蕁麻疹や発疹
- 腹痛や下痢
- 喘息やくしゃみ
- アナフィラキシー
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)
スギ、ヒノキ、ブタクサなど
- くしゃみ
- 鼻水や鼻詰まり
- 目の痒み
動物アレルギー
犬や猫のペットの毛、皮膚片、唾液
- くしゃみ
- 鼻水
- 目の痒み
- 喘息
ハウスダスト・ダニアレルギー
ハウスダスト、ダニ
- 鼻水や鼻詰まり
- 目の痒み
- 喘息
薬物アレルギー
抗生物質、鎮痛剤、ワクチン
- 蕁麻疹や発疹
- アナフィラキシー
昆虫アレルギー
ハチやアリなどからの虫刺され
- 刺された箇所の腫れや痒み
- アナフィラキシー
接触性皮膚炎
ニッケル、ラテックス、化粧品、洗剤
- 皮膚の赤みや痒み
- 水疱
職業性アレルギー
化学物質、粉塵、ラテックス
- 蕁麻疹や発疹
- 喘息やくしゃみ
え!?それもアレルギーなの?
世の中にはそんなアレルギーを持ってる人もいるのかとびっくりするようなアレルゲンもあります。
例えば水。え、水!?
それは流石に辛すぎる…
飲めないのも辛いけど、汗や涙などに対しても反応することもあるって言うから水アレルギーの方の大変さは計り知れません。
他にも肉や太陽光、寒冷アレルギーや金属アレルギーなんかも聞いたことがあるでしょうか?
更に珍しいアレルギーの一つに運動誘発性アナフィラキシーというものがあります。
これは特定の食べ物や薬を運動前に摂取したことにより、相互作用して発症するアレルギーのことです。
食べ物を食べただけではアレルギー反応は起きず、その後運動したことにより蕁麻疹や呼吸困難、重度の場合はアナフィラキシーを起こすこともあります。
何がきっかけになるかわからないのもアレルギーの怖いところですね。
まとめ
思い当たる症状はあったでしょうか?
アレルギー反応と言ってもその症状は多種多様で、軽度から重度までその時々の体調の具合によっても変わることがあります。
特にアナフィラキシーのような命に関わるような症状が出た場合には、迷わず救急車を呼ぶことをおすすめします。
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